2023年1月4日
株式会社ビズリーチ
年頭所感
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
2022年は、世の中とは激しく移り変わっていくものであるということを改めて実感する年でした。やっとコロナ禍の出口が見え始め、経済回復が本格化すると期待が高まったのも束の間、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発し、世界情勢は一気に不透明なものとなりました。世界的に景気悪化の懸念が強まっています。
そうしたなかで迎えた新年は、一体どんな年になるでしょうか。私は、企業も個人も「覚悟」が問われる年になるのではないかと考えています。
世界を覆ったコロナ禍は「デジタル化の遅れ」や、成長産業への経営資源の移動が進まない「硬直的な産業構造」といった、日本社会の課題を浮き彫りにしました。企業も個人も、大きな転機を迎えたことは確かですが、それでも必要な改革が完遂されたとはいえないでしょう。
日本社会や企業は、「労働力人口減への対応」や「生産性の向上」といった課題に立ち向かわなければなりません。問われるのは、政府も推進する「人的資本」を重視した経営へのシフトです。人を重要な経営資源として捉えるということは、「人が集まる会社になる」ということに他なりません。企業は「従業員の成長のために、経験・スキルを習得できる環境を提供しているか」をあらためて問い直し、また優秀な人材を採用するために従来の採用体制も見直す必要があります。もはや企業が人材を選ぶのではなく、人材が企業を選ぶ時代が到来しています。コロナ禍を契機に動き出した必要な改革を止めずに完遂させることができるか。これが企業に問われる覚悟だと考えます。
一方、個人に問われるのは、自身のキャリアを主体的に選択する覚悟です。変化が激しく、先の見通しが立てにくい時代。企業に依存せず、自らの希望やスキルに合わせてキャリアを形成しなければ、長期にわたって望む仕事をし続けることが難しくなっています。健康診断を受けて生活習慣を意識するように、定期的にキャリアの現状を振り返り、自身が納得するキャリアを歩むために「キャリアの健康診断」をする重要性も高まるでしょう。「自らの未来は、自らの手で選択する」という考え方を実践できるかが重要になると思っています。
当社は、一人一人の生涯の働き方に寄り添い、新時代に向けた働き方の変革を支える、なくてはならない存在として「キャリアインフラ」となることを目指しています。
即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」では、キャリアにおける選択肢と可能性を個人に示すとともに、企業の採用を支援しています。また、人財活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズでは、多様化する人事戦略に対応し、従業員一人一人がさらに活躍できる組織づくりを支援しています。
変化のスピードが速い時代は、多くのチャンスが訪れる時代ともいえます。
昨年、米大手IT企業で大規模レイオフが相次いだことは大きな話題となりましたが、これが示唆するのは、企業が外部環境の変化に合わせて柔軟に組織体制を構築していくことの重要性です。変化を迅速に捉えて柔軟に対応するために、人事戦略の可視化や、人事がプロジェクトマネージャーの役割を担い部門(現場)が採用にコミットすることで採用成功を目指す「部門主導の採用」の推進がこれまで以上に必要になります。
先行き不透明な時代だからこそ、企業も個人も変化を機会と捉え、柔軟に対応する必要性が高まっているのだと思います。
当社は、個人が自信と覚悟を持って「道」を選択できるように、あらゆる選択肢と可能性を示し続けていくとともに、より良い社会の実現に向けて改革を完遂しようとする企業を支援してまいります。
本年もどうぞ、よろしくお願いいたします。
株式会社ビズリーチ
代表取締役社長
酒井 哲也