2024年10月9日
株式会社ビズリーチ
<ビズリーチ WorkTech研究所、企業の採用や最適配置・異動に関する調査を発表>
7割が「キャリア採用の難度が上がっている」
社内の人事異動に9割が「社内から適任者を探す仕組みが必要」
キャリア採用の難度が上がり、社内の人材活用の重要性が高まる
最適配置の課題は「ポジション要件の言語化」「社員のスキル・経験・意向の可視化」
株式会社ビズリーチ(所在地:東京都渋谷区/代表取締役社長:酒井哲也)が運営する、働く人の活躍を支えるテクノロジー”WorkTech”に関する研究機関「ビズリーチ WorkTech研究所」は、ビズリーチまたはHRMOSシリーズを利用する従業員数500名以上の企業の経営層、人事担当者を対象に採用や最適配置・異動に関する調査※を実施しました。
その結果、キャリア採用の難度の高まりを背景に、社内の人材活用の重要性が高まっていることがわかりました。社内の人材活用を推進するには、「組織の全体最適」と「社員個人のキャリア支援」の両方を実現する必要があり、そのための人事異動の仕組みが不可欠となっていることを示唆する結果となりました。
70.2%の企業が「キャリア採用の難度が上がっている」と回答。ビジネス環境の変化に応じた柔軟な人材登用の実現に「社内の人材活用」の重要性が増す
キャリア採用の難度について質問したところ、昨年と比べて「全体的に上がっていると感じる」と回答した企業が最も多く37.4%で、次いで「一部職種で上がっていると感じる」が32.8%となり、全体で約7割の企業がこの1年で採用難度が高まっていると実感しています。
また、新たに人材が必要になった際に、どのようにして人員を補うかをたずねたところ、73.8%の企業が「採用と異動の両方」で人員を補っていると回答しました。このことから、ビジネス環境の変化に応じた柔軟な人材登用の実現にあたり、難度が上がっているキャリア採用における採用力の強化、ならびに社内の人材活用の重要性が増しているといえます。
社内の人材活用の課題を調査。社内公募は「数・種類の少なさ(39.0%)」が、会社主導の異動は「従業員のモチベーション・エンゲージメントの低下(57.5%)」が最多
社内の人材活用の主な手段として、社内公募や、ジョブローテーションをはじめとする会社主導の異動が挙げられますが、調査の結果、それぞれに課題があることもわかりました。
まず、社内公募の課題については「社内公募の数・種類が少ない(39.0%)」「社内公募をしても適任者からの応募がない(36.9%)」「社内公募するポジションの業務内容や必要なスキル・経験がわかりにくい(36.9%)」という回答の割合が高い結果となりました。社内公募には、仕組み・運用面での課題だけではなく、社内公募するポジション要件の言語化にも課題があることがわかります。
会社主導の異動の課題については、「従業員の希望に合わない異動がモチベーション・エンゲージメントの低下を招く(57.5%)」「部署の求めているスキル・経験の従業員を探すことが難しい(53.1%)」「従業員一人一人の適性・能力を把握することが難しい(49.1%)」という回答の割合が高い結果となりました。会社主導の異動には、社員のスキル・経験の可視化や、キャリアに関する意向を反映する仕組みが必要であることがわかります。
組織の全体最適と社員個人のキャリア支援の両方を実現する異動の仕組みが必要
「社内から適任者を探す仕組みがあるとよいと思うか」という質問に対しては、93.4%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答し、その理由を聞いたところ、「適材適所の配置により生産性の最大化がはかれる(63.0%)」「従業員のキャリア支援になる(59.1%)」という回答の割合が高い結果となりました。
このことから、社内の人材活用において、「適材適所の配置」と「従業員のキャリア支援」が実現できる仕組みが必要とされていることがわかります。外部から人材を補うことが難しくなるなか、これからの人事戦略においては、会社全体にとって最適な人材配置と、社員個人のキャリアに視点を置いた異動・登用との両立が求められるといえます。
株式会社ビズリーチ ビズリーチ WorkTech研究所 所長 友部 博教 コメント
人事戦略に基づく人材配置や異動は、組織の成長や変革に不可欠なものですが、これまでは人事担当者の経験や知識に委ねられ、属人的で再現性に乏しいケースも多くありました。しかし、人材の流動性が高まり、企業には「社員に選ばれ続ける」ための組織運営が求められるなか、人材配置や異動の在り方も転換期を迎えています。企業は社内の人材の流動性を高め、社内におけるキャリアパスを構築し、社員のキャリア実現を支える必要があります。一方で、企業の持続的な成長に適した人材配置・異動でなければなりません。
社員のキャリア実現と企業の全体最適という、2つの難しいことを両立するうえで、データの活用が欠かせません。本調査の結果から、社内公募や異動により最適なマッチングを実現するためには、求めるポジションの要件と社員のスキル・経験・キャリアの意向が可視化されたデータベースが必要です。例えば、異動希望の可視化です。今すぐの異動を希望する社員もいれば、自身のキャリア形成の機会としてよいところがあれば異動したい社員、絶対に異動したくない社員もいるでしょう。異動希望が可視化できれば、最適配置を実現するためのタレントプールをタイムリーに把握することも可能となります。しかし、データベースを整えただけでは不十分です。異動者をどのように選定するのか、人事部門だけが社員データベースを閲覧して異動を行うのか、それとも事業部門が主導して異動を行えるようにするのかなど、運用方法についてはまだ議論の余地があるところです。
また、キャリアの選択肢として社内のポジションが可視化・共有されていれば、社員のモチベーションは高まります。社員のスキル、経験、キャリアの希望を把握したうえで、社内におけるキャリアの選択肢を提供し、社内の人材配置の最適化を実現することが、人的資本経営の観点からも、これからの企業には求められています。
※調査概要
調査内容:採用と人材活用に関するアンケート
対象:ビズリーチまたはHRMOSシリーズを利用する従業員数500名以上の企業の経営層、人事担当者
調査期間:2024年5月29日~2024年6月7日
有効回答数:275
(回答率は端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります)
「ビズリーチ WorkTech研究所」について
企業と個人(働く人)の関係性が変化するなかで、これからの人事部門が導入を求められる「WorkTech(従業員の自律的な活躍を支えるテクノロジー)」について、その活用や未来の人材活用のあるべき姿を研究し、企業の経営層・人事部門に情報を発信する目的で設立。
企業の経営者・人事部門・ビジネスパーソンを対象としたWorkTech領域の意識調査と分析、企業の活用事例、AI技術の研究などに基づいた情報発信を行う。
株式会社ビズリーチについて
「キャリアに、選択肢と可能性を」をミッションとし、2009年4月より、働き方の未来を支えるさまざまなインターネットサービスを運営。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、静岡、広島に拠点を持つ。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」シリーズ、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」を展開。産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するさまざまな事業を展開するVisionalグループにおいて、主にHR TechのプラットフォームやSaaS事業を担う。