2024年10月22日

株式会社ビズリーチ

<ビズリーチ WorkTech研究所、退職者状況の調査結果を発表> 直近1年で退職者増加の企業が約6割、大企業は7割超
最も問題視している退職者層は「新卒入社5~10年の中堅層」 社員のキャリア自律を背景に「社内のキャリアの選択肢」提示が新たな課題に

株式会社ビズリーチ(所在地:東京都渋谷区/代表取締役社長:酒井哲也)が運営する、働く人の活躍を支えるテクノロジー“WorkTech”に関する研究機関「ビズリーチ WorkTech研究所」は、ビズリーチまたはHRMOSシリーズを利用する企業の経営層、人事担当者を対象に、2024年5月29日~2024年6月7日の期間で、企業における退職者状況に関する調査を実施しました。

本調査から、転職が一般的となり人材の流動化が進んだことを背景に、企業における退職者の増加がうかがえる結果となりました。特に大企業ほどその傾向が強く、「一社で勤め上げる」という従来の価値観が薄れていることがわかります。個人のキャリア自律が進むなか、企業は社員に対して、社内にあるキャリアの選択肢や可能性を提示することが、これからの組織運営において必要不可欠であることがうかがえます。

直近1年の退職者数は増えていますか

直近1年で退職者が増加していると実感する企業が増加。大企業で顕著な傾向

直近1年で退職者が増えていると回答した企業は58.8%となりました。企業規模別に見ると、従業員数が多い企業ほど「増えている」という回答の割合が高く、従業員数3,000名以上の企業では73.3%でした。一社で勤め上げることが一般的で、退職者が少ない傾向にある大企業の方が、より退職者の増加を実感していることが推測されます。

また、増加している退職者層についても企業規模によって差が見られます。従業員数200名未満の企業では、増加を感じる退職者層にばらつきがある一方で、従業員数3,000名以上の大企業では、「入社5~10年目の新卒入社者(63.6%)」「管理職・役職者(18.2%)」が、その他の規模の企業に比べて多い傾向が見られました。

直近1年の退職者数は増えていますか
どの層の退職者が増えていますか

企業が問題視している退職者層は「入社5~10年の新卒入社者」である中堅社員

次に、最も問題視している退職者層をたずねたところ、従業員数200名以上の規模の企業において「入社5~10年の新卒入社者」が突出する結果となりました。また、退職の理由をたずねたところ、最も問題視している退職者層を「入社5~10年の新卒入社者」と回答した企業では、「従業員個人のキャリアの将来性(59.3%)」が最も多く、2位の「給与・賞与(46.2%)」に比べて10ポイント以上高い結果となりました。

これは、個人のキャリア自律が進むなか、新卒入社の社員が企業で一通りの経験を積んだ後、30歳前後の中堅社員となった頃に、社外に新たなスキル・経験を求める傾向にあることを示唆する結果といえます。

どの層の退職者を最も問題視していますか
退職の理由として考えられることは何がありますか

※調査概要
調査内容:退職者に関するアンケート
対象:ビズリーチまたはHRMOSシリーズを利用する企業の経営層、人事担当者
調査期間:2024年5月29日~2024年6月7日
有効回答数:548
・回答率は端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
・本調査を引用される際には、「ビズリーチ WorkTech研究所調べ」と必ずご記載ください。

株式会社ビズリーチ ビズリーチ WorkTech研究所 所長 友部 博教 コメント

ビズリーチ WorkTech研究所 所長 友部 博教

今回の調査により、雇用の流動化の影響が企業内でも顕著になりつつあることが明らかになりました。そのため、企業は「社員に選ばれ続ける」ための組織運営を一層強化する必要があります。もちろん職場環境や待遇などに明確な問題があり、それが退職要因となっている場合は見直すことが必要です。しかし今後は、個人のキャリア自律が進むにつれて、特に不満がない場合でも将来のキャリアを見据え、離職するケースが増加すると予想されます。

人生100年時代を迎え、個人には、長く働き続けるためのキャリア形成が求められています。結果、転職を通じた「社外」にあるキャリアの選択肢を選ぶ傾向が強まっています。しかしこれには、「社内」にもキャリア形成の選択肢があるにもかかわらず、十分に認知されていない、というケースも存在します。

このようなキャリア自律が当たり前となる時代において、企業に求められる対策は、社内におけるキャリアの選択肢や可能性を可視化し、それを社員に提示することです。ジョブローテーションや社内異動などの施策を、会社都合だけではなく、個人の視点も含めて再設計することで、社内にも成長の機会やキャリアの選択肢があることを社員に示し、たとえ今すぐの機会がない場合でも将来的に複数のキャリアパスがあることを示せれば、退職の抑止につながるでしょう。

そのためには、社内ポジションの定義や社員のスキル・経験の可視化が不可欠です。社員が自らのキャリアパスを理解しやすくし、社内での成長の機会を見つけられる仕組みを整え、それを提供し続けることが、結果としてこれからの持続可能な組織運営の鍵になっていくといえます。

「ビズリーチ WorkTech研究所」について

企業と個人(働く人)の関係性が変化するなかで、これからの人事部門が導入を求められる「WorkTech(従業員の自律的な活躍を支えるテクノロジー)」について、その活用や未来の人材活用のあるべき姿を研究し、企業の経営層・人事部門に情報を発信する目的で設立。企業の経営者・人事部門・ビジネスパーソンを対象としたWorkTech領域の意識調査と分析、企業の活用事例、AI技術の研究などに基づいた情報発信を行う。

公式ブログ:https://note.com/bizreachworktech

株式会社ビズリーチについて

「キャリアに、選択肢と可能性を」をミッションとし、2009年4月より、働き方の未来を支えるさまざまなインターネットサービスを運営。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、静岡、広島に拠点を持つ。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」シリーズ、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」を展開。産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するさまざまな事業を展開するVisionalグループにおいて、主にHR TechのプラットフォームやSaaS事業を担う。